24年3月 定例会


政策型入札
◆3番(森岡秀幸君) 市民派ネットの森岡秀幸です。政策目的型入札の導入促進等について一般質問いたします。
 公共工事を取り巻く環境は、近年、大きく変化をしております。これまでの発注方式は、一般的には標準的な設計、施工法を用いて一番安い価格を提案したものを落札者とする方式でした。近年になって、価格と品質の両面ですぐれた工事であることと同時に、環境や省資源への配慮、さらに建設される構造物等の維持管理費の削減といった多様なニーズを満たした工事が求められております。
 一方、社会の成熟や景気の低迷に伴い公共工事等の減少により、業務を受注するための入札の競争が激しくなってきております。極端な低価格で落札するケースや不調、入札辞退、あるいは同額の最低価格が複数となり、くじ引きで落札する者を決める場合などが全国的に見られます。低価格の例は、箕面市及び市に関係する最近の入札においても、辞退や不調が散見され、中には予定価格の57%以下の低価格で落札、契約したケースが見られました。
 極端な低価格の落札には適切な技術者を適正に配置することが困難で、工事等への品質の低下を招くことが懸念されます。また、下請業者や資材供給者へのしわ寄せも懸念されることから、経済性に配慮しつつ、価格以外の技術などの多様な要素を考慮し、価格と品質が総合的にすぐれた契約への転換を図るために、平成17年に公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法が制定されました。総合評価方式はこの品確法の理念に基づき拡大した新しい入札法です。
 一方、不透明、非効率な入札制度・手続も続けられ、発注者である自治体等に不透明な支出を招くおそれがあり、同時に受注者となる事業者にも成長を阻害しかねないため、喫緊に解決しなければならない課題であると指摘されております。近年、内外の圧力もあり、こうした懸念や弊害を防ぐための方策が検討され、国土交通省は目的物の機能や性能を低下させずにコスト削減を促す手法となるVE(Value Engineering)の導入や価格以外の要素を考慮する総合評価型入札の導入など、透明で競争性の高い市場環境の整備に取り組んでおります。
 国等の調達案件においては一般競争入札を原則とすると規定されており、一般競争入札が多くなってきておりますが、かつて地方公共団体を中心に入札制度の主流となってきた指名競争入札もまだ併用されております。その背景には、発注者が入札参加者の選定の段階で入札に参加できる者を指定(指名)して行う入札制度であることから、発注者は受注希望者の能力や信用などを指名の段階で判断し、これらに疑いのある業者は入札執行前に排除することが可能であることや、受注者の地域貢献度を重視できること、入札執行後に受注者の能力不足や信用度の欠落によるトラブルを防ぐことなどができる利点があるとされているからです。
 他方、近年、指名の際の発注者の恣意性を問題視する事例もいまだ少なくなく、このため要件を詳細に定めるかわりに、希望する者を入札対象とする公募型指名競争入札や一般競争入札を導入する動きが活発となっており、一般的には指名競争入札は少額入札などの例外的扱いとなる傾向にあります。
 そこで、箕面市における近年の入札の状況や制度改革についてお尋ねいたします。
 初めに、箕面市では指名競争入札が一般的に執行されておりますが、一般競争入札や総合評価型入札の実施状況はそれぞれどのような比率で実施されているのでしょうか。
 次に、予定価格の公表について、事前公表にすると、調査基準価格や最低制限価格を推測しやすく、公表価格付近での同額入札がふえると言われております。国土交通省は以前から自治体に事後公表を要請しており、事後公表を取り入れている自治体が増加しているとのことです。箕面市の場合は、事前の場合と事後の場合、両方が見受けられますが、どのような判断や基準によってこれらを使い分けているのでしょうか。
 3点目に、先ほども触れましたが、極端な低価格の落札には適切な技術者を適正に配置することが困難で、工事等の品質の低下を招くことが懸念されます。課題は幾らかありますが、そのことを防ぐ効果的な手法の一つが、最低制限価格の設定です。箕面市でも工事請負業務にはこの最低制限価格が設定されておりますが、測量・設計委託業務にはなぜ最低制限価格を設定していないのでしょうか。測量・設計の業務はほとんどが人件費で、低価格による入札が行われれば、働く者にしわ寄せがされ、結果として長時間労働や低賃金による官製ワーキングプアをつくり出すことにつながる危険を持っております。委託業務にも最低制限価格の設定が必要と考えますが、市はどのように考えておられますでしょうか。
 次に、上で述べたような入札に関するさまざまな課題をでき得る限りなくしていくための入札制度改革について、現在どのようなスケジュールで、どのような検討をなされておられますか、お伺いいたします。
 次に、3点目で述べましたが、官製ワーキングプアを出さないことや成果の品質を確保するために、最低制限価格制度の導入で対応できない場合は、低入札価格調査制度による調査(確認)が効果的です。設計コンサルタント業務委託にも適用していくことが望ましいと考えます。低入札価格の弊害を防ぐ方法として、一定の基準以下の低価格の入札に対してペナルティーの導入などの取り組みについてどのようにお考えなのでしょうか。
 6番目に、総合評価型入札は、民間企業の持つすぐれた設計、施工方法に関する技術力を生かすことで、公共工事の総合的な価値を高めることをめざした新しい方法で、価格のほかに技術などの価格以外の要素を評価の対象に加えて、品質や施工法等を総合的に評価して、技術と価格の両面から見て、すぐれた案を提示した者を落札者とする制度です。このことは工期の短縮や騒音振動の軽減といった、住民にも満足度の高い事業が得られることが期待されます。
 しかし、一方で入札希望者にも事前の準備に負担がかかるとも言われ、工事の内容によって特別簡易型、簡易型、標準型、高度技術提案型などが使い分けされております。そのほかにも、VEなどを採用することも可能で、担当部署が積極的に適切な方式を選択したり、契約後も高い品質の確保に努めることをめざしていく必要があるかと考えます。そのためには、担当部署の入札に対する意識改革や日進月歩の施工管理に関する知識あるいは技術研修等に継続的に取り組み、工事に対して技術面でも対応できる能力を獲得する必要があります。このような制度の導入やそれを支える職員の研修等に関して、今後の取り組みについてどのようにされているのか、お考えをお聞かせください。
 最後に、行政は公平性を保ちつつ、よりよい社会を実現するための施策を行っていかなければなりません。そのためには、契約の相手となる企業がさまざまな社会的価値に配慮しているかどうかを、総合評価方式の選定基準に組み入れることが必要だと考えます。例えば、その企業が環境への配慮をしているのか、障害者雇用など福祉にも配慮しているのか、男女共同参画を進めているか、あるいは雇用者として公正な労働基準を適正に維持しているかなどです。そのような選定項目を組み込むということです。そうすれば、広く社会に対し社会的価値の追求を促す効果が期待されるのではないでしょうか。行政が政策・施策を通じて社会的価値の追求を行うための手段の一つに総合評価型入札が位置づけられ、選定項目の中に社会的価値を組み込めば、入札制度そのものが社会的価値を追求する政策手段として機能することになります。
 そこで、総合評価型入札を政策目的型入札改革に活用した取り組みを行うには、価格以外のどのような条件を重視するのか、とりわけ自治体の追求する政策目的を実現するための評価項目の設計に工夫が要ります。大阪府や豊中市では、福祉重視を評価項目としております。豊中市は2007年度から入札参加資格審査申請の際に社会保険や労働保険の加入を確認し、福祉・男女参画・環境への配慮を公共性評価の項目に取り上げた総合評価型入札方式導入を行いました。選定項目などの詳細の設計制度についてはこの場で議論を割愛しますが、本市においても公共性の評価項目として福祉への配慮、障害者雇用、就職困難者の新規雇用等、あるいは男女参画への配慮、環境への配慮、災害時の業務体制を配置する総合評価型入札の導入の促進を図り、福祉政策の推進を強く要望するものです。本市におけるこの方面での導入についての考え方をお伺いします。
 以上、私の一般質問といたします。誠意あるご答弁をお願いいたします。