23年9月

図書館

◆3番(森岡秀幸君) 市民派ネットの森岡秀幸です。大きく2項目について一般質問させていただきます。
 まず、これからの図書館施策のあり方についてお尋ねいたします。
 文部科学省は、図書館を取り巻く社会情勢の変化に対応して、2004年7月に、これからの図書館の在り方検討協力者会議を設置し、これからの図書館の在り方について検討を進め、2006年3月に「これからの図書館像」として提言書を取りまとめました。これは、これからの図書館運営に必要な新たな視点や方策等についての提言で、図書館の整備及びサービスの充実の指針となるように提言しています。この中で、とりわけ公立図書館の設置者である地方自治体に対して次のように提言しております。
 地方分権が進む現代の社会において、それぞれの地方公共団体が独自に情報収集を行い、現状判断や政策立案を行うことが重要になってきています。また、行政への住民参加が進む中で、住民がみずから必要な情報を収集し、意思決定することが重要になってきています。このために必要となる多様な資料や情報を提供する役割を担うのが図書館です。図書館は、地域の行政や住民の自立的な判断を支える情報提供施設です。図書館は、知の源泉である図書館資料を提供して、住民の読書を推進し、基礎学力や知的水準の向上を図るために欠かせない重要な知的基盤であり、ひいては地域の文化や経済社会の発展を支える施設である。そこで、地域における図書館の存在意義を明確にし、図書館整備の指標や目標、計画をみずから設定し、着実に推進することが必要であるとしております。すなわち、図書館は地域の課題解決を支援し、地域の発展を支える情報拠点であることを認識し、地域における図書館の存在意義を明確にすること、そして、その充実へ踏み出すための図書館の整備状況やサービス状況に関する指標や目標、計画をみずから設定し、推進することが重要であると指摘した上で、この提言書をもとに図書館行政の推進を図り、図書館の改革に努めるよう各自治体に求めております。
 このような視点で、これからの箕面市の図書館施策のあり方についてお伺いします。
 まず、今までの図書館は、その活動内容から見ると、資料としての図書や雑誌、視聴覚資料、あるいは情報の提供が主な仕事とされてきました。箕面市はこの点で、同規模の人口を有する自治体の中では上位に位置する活発な利用がなされてきたとの評価を受けております。また、市民団体との協働による幅広い世代へのサービスを実施し、点字資料、音訳資料の整備、あるいは映画会、講座、展示、祭り等の事業が展開されてきました。とりわけ、紙芝居まつり、紙芝居コンクールは全国的にも高い評価を受けております。これからは、こうした今までの市民との協働をベースに、さらに幅広い分野での地域課題解決のための情報サービス提供機能の強化が求められております。市民活動への支援や外国人の方への支援などを強化していかなければなりません。そのためには、こうしたサービス機能の強化の方針を明確に位置づけ、幅広い団体との連携や育成を図る必要があると考えます。
 その一例として、三鷹市では、市長の公約であった絵本館を整備するに当たり、建物を先に整備することをせずに、市民参加組織でプロジェクトをまとめ、絵本の読み聞かせなどに活躍する人材、人的財産の育成や、絵本文化の普及活動を先行し、大正時代の国立天文台の官舎をできる限り活用した三鷹市星と森と絵本の家を完成させました。その間5年余りの時間をかけており、展示などについては天文台と協働し、読み聞かせの市民ボランティアの育成などを行い、開館2年で5万人近い来館者を迎えているとのことです。このような市民とともにつくり上げていく図書館をめざしていただきたいと考え、既存館も含め、市民と協働するこれからの図書館づくりについて、市の考えをお伺います。
 次に、図書館が地域の情報拠点としての役割を果たすことが期待されております。インターネットや衛星通信を活用した情報提供が各地で整備されていますが、さらに地域からの情報発信機能を備えることが提案されているのです。その1つは、郷土の歴史・文化的資料を教育利用の観点から体系的に電子化し、活用していくことが期待されております。いわゆるアーカイブです。地域に関する歴史・文化資料をデジタル化するなど、長期にわたり利用しやすい保存方法の取り組みが求められております。この動きは、本市でも昨年度に豊中市の図書館と共同で豊中・箕面地域情報アーカイブ化事業を実施し、ホームページ「北摂アーカイブス」を立ち上げ、その内容を公表しております。この取り組みは、小学校の副読本のように、地域の歴史や文化的資源を広く伝えることに大きな役割を果たしておりますが、さらにその対象を文化財や保存すべき景観などにも広げ、まちづくりへの貴重な資料を収集、保存、提供することは生涯学習やまちづくり市民活動をエンパワーするもので、今後も積極的に進めることが期待され、重要な取り組みと考えます。市の方針をお伺いします。
 3点目に、以上のような図書館が果たす新たな市民ニーズに取り組むためには、一定の図書館予算を毎年確保し、新規資料の継続的な収集やレファレンスサービスの充実、電子情報の充実、市民協働等を図ることによって、住民のニーズにこたえられる高いレベルのサービスを維持し、利用の増加をもたらし、それによって地域社会に貢献できる知の拠点としての図書館が実現できるものと考えます。
 前総務大臣の片山善博氏は、図書館について次のような発言をされております。知的立国を地域で支え、実現するのが知の地域づくりで、みずから考え、みずから判断、決定し、みずから行動するための自己の潜在能力を十分生かして自己実現を図ることによって社会に貢献できるものです。その自立には、質の高い教育と知の拠点が必要です。しかし、多くの自治体では図書館に十分な予算と人員が確保されていなく、図書館は、財政拡大の際にはその恩恵に浴さず、財政縮小の際には真っ先にその対象になっております。首長や議会、財政当局の間で、図書館のミッションや司書の役割が理解されていないのが現状です。司書資格を持った職員のいない図書館は、教員免許を持った教師のいない学校に等しいと述べております。
 本市においては、緊急プラン・ゼロ試案で、聖域なき改革として、図書館の再編統合等により年間5,500万円の削減案が本年度から実施されることになっております。ICタグを導入し、大幅な人件費の削減を図ろうとしておりますが、本来はICT化によって生まれた時間を、さきに述べたような新しいニーズに対応したサービス提供に当てられるようにして、より市民サービスの向上を図るべきと考えます。しかし、箕面市知の拠点づくりアクションプランには、新規資料の継続的な収集や新たな拠点づくりが提案されていますが、これからの住民のニーズにこたえられるレファレンスサービス等の充実や、市民協働による高いレベルのサービスを維持する将来の目標や、その目標を実現するための具体的な方針についてはほとんど触れておりません。むしろその内容は職員の雇用の不安定化を促進するものでもあり、図書館がこれからの知の拠点として継続的に役割を果たしていけるのかと不安を覚えます。
 知の拠点として機能を強化するには、中長期的な視点からの図書館の改革や機能の拡充を図り、積極的な財政措置を図り、図書館への投資によってどのように社会がよりよく変化するのかを明確に示し、地域社会からの評価を得る必要があります。あわせて、そのような図書館となるための具体的な行動指針を作成し、その実現のためにすべての職員に周知し、目標を実現していく必要があるのではないでしょうか。今後の予算確保についての市の見解をお伺いします。
 4点目に、そのような投資をするにも、図書館サービスの評価をきちんと行う必要があります。さきの提言書でも示しておりますが、図書館サービスの評価は地方公共団体が行う政策評価の一環として位置づけられるようになってきており、図書館サービスの必要性、有効性、効率性の観点から評価を行い、住民に公表していくことが求められます。評価に当たっては、図書館では多様なサービスが展開されていることを踏まえ、これまでの貸出冊数を中心とした評価のあり方を、現在社会のニーズに応じたものに見直し、多様なサービスに対応した評価のあり方を考える必要があります。その評価指標には、どれだけの資料やサービス等を提供したかというアウトプットではなく、サービス等を提供した結果として地域や住民に対して実際どのような成果がもたらされたかというアウトカムでの評価を導入する必要があると思います。さらにその評価は、設置者、住民、図書館と連携協力する諸機関の三者の視点から評価されるべきと考えます。
 アクションプランの実施に当たって導入されるICタグ導入による効果を23年度と24年度の2段階で順次検証しながら進めるとしておりますが、評価結果を踏まえて、図書館協議会等の協力を得つつ、業務の改善方針や計画を策定し、必要に応じて見直すことが必要であると考えます。また、その具体的な評価の手法については多くの文献や資料を参考にすることができますが、ぜひ広く市民の意見も反映できる手法を取り入れることも行っていただきたいと思います。市の見解をお伺いします。
 以上、4点のこれからの図書館に求められる視点を整理しましたが、これ以外にも多くの視点や課題が専門家や政府機関等から示されております。箕面市の現状に照らし議論しなければならないものがあるかと思いますが、これら図書館施策の在り方は個々ばらばらのものではなく、一体的、総合的な施策として市民に示していく必要があると考えます。
 すなわち、行政として生涯学習の一環である図書館行政をどのように位置づけ、今後どのように進めていくのかを示す必要があるのではないでしょうか。図書館8館構想を提示したとき、多くの市民は、市民が参加した構想づくりを求め、パブリックコメントの実施なども要求してきました。しかし、この8館構想は、実際はそのようなものではなく、小野原西の多文化交流施設を整備するための財源的なつじつま合わせでした。現在の社会課題に対応するため政策を取りまとめ、図書館の運営における指針を新たに策定し、具体的な施策を進めていきたいと考えておりますというのが2009年2月の本議会の一般質問に答弁されたものです。しかし、現時点でもこの整備はなされておりません。それが、この図書館8館構想ということにはなりません。
 箕面市生涯学習推進基本計画が見直しの時期に来ているということですので、ぜひこれとあわせて新しい図書館に求められる運営の指針を策定されることを提案します。これらの市の考え方をお伺いします。
 次に、箕面市子ども読書活動推進計画実施計画についてお尋ねいたします。
 2001年に公布、施行された子どもの読書活動の推進に関する法律に基づいて、2003年に設置された箕面市子ども読書活動推進委員会及び同専門部会が、子どもの読書に関する総合的なビジョンとして、箕面市子ども読書活動推進計画を2004年10月に策定しました。この計画は、2005年度から2009年度の5年間を実施期間とするもので、第1に、乳幼児からいつもそばに本がある環境をつくること、第2に、連携による読書環境の充実を進めること、第3に、大人が子どもと本の架け橋になることを基本としています。箕面市子ども読書活動推進計画実施計画は、この計画を実施するために具体的に取り組むことをまとめたものです。
 具体的には、子どもの読書活動推進体制の整備、乳幼児期における読書環境の整備、学校と学校図書館における読書活動の推進、市立図書館における読書活動の推進が年度ごとに計画されております。そこで示されている具体の施策の例としては、乳幼児への読み聞かせの施策が現在も継続されております。また、小学校のアカデミー賞のような発展的な施策も出てきているかと思います。最終年度の2009年には検証、評価がなされることになっておりますが、評価検証が実施されたのであれば、多くの施策はその成果をさらに発展させながら取り組みが継続されるのではないかと思いますけれども、この計画の最終年度は2009年度で、既に1年以上の計画上の空白が生じております。この計画に対する現在の取り組み状況をお伺いすると同時に、さらに発展、継続させるための総合的な政策的位置づけを明確にするとともに、次期実施計画の策定に早急に取り組むことを要望します。市のお考えをお示しください。
 続いて、2つ目の質問として、昨日の本会議で物損事故に係る損害賠償の専決処分が報告されましたが、この件に関連して、学校活動における対外的な事故防止について、今後の防止策等について簡潔にお尋ねいたします。
 今回の事故は、第一中学校の校庭で練習していた野球のボールが防球フェンスを越えて、敷地に沿って走る通称山麓線を走行していた車両に当たり、損傷させた事故です。幸いにも人身に及ぶ事故ではありませんでした。しかし、大きな事故につながる可能性は否定できなく、直接車両等に当たらなくても、路上に転がったボールが交通事故を誘発することも十分考えられ、損害賠償の多寡ではなく、悲惨な事故は未然に防がなければならないという共通の思いであると思います。
 そこで、市内の公立学校、とりわけ中学校においてボールが防球フェンスを飛び越えるような事故が今までにどの程度確認されているのでしょうか。このような事故が今まで教育委員会に報告されていれば、この間にどのような対策が講じられているのかお答え願いたいと思います。
 最後に、今回の事故を受けて今後の事故防止策を検討するためにも、今までは事故を起こしていなくても飛び出す危険性が指摘されているケースがあれば、具体に現地の調査を早急に実施して、事故防止対策を講じる必要があると考えますが、この点についてどのようなお考えをお持ちかお答え願いたいと思います。
 以上、誠実なご答弁をお願いして、私の一般質問といたします。

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