21年9月

◆3番(森岡秀幸君) 市民派ネットの森岡秀幸です。箕面市における地域振興のあり方について、一般質問させていただきます。市当局の真摯なご回答をお願いいたします。
 このたびの衆議院総選挙において政権交代が実現し、民主党を中心とした連立政権が発足いたしました。これに先立ち、自公政権最後となる膨大な緊急経済対策の補正予算の成立に伴い、箕面市においても一般会計では類を見ない膨大な大型の補正予算が今議会に提案、可決されました。
 そのほとんどが小・中学校の施設の大規模改修とICT環境整備、ユビキタスタウン整備、駅前周辺整備等に充てられ、まさにハード整備型公共事業の予算となっております。
 緊急経済対策としては即効性が求められることにより、一過性のスポット的な資金投下も一定程度は必要かと思いますが、継続性あるいは効果の持続性に欠けるこのような予算配分で本当に地域の活性化が図れるのか、非常に疑問のあるまちづくりと言うしかありません。
 昨年12月に発表された緊急プラン・ゼロ試案による財政改革が進められておりますが、試案の中で多面的な収入増加策の取り組みがうたわれておりますが、これも歳入改善につながるような適切な提案や実施もなく、間もなく1年を迎えようとしております。
 これからの高齢社会や低炭素社会に向けて、魅力的で人々が生き生きとした地域社会を形成するためには、地域資源を活用した創造的で持続的な循環型の地域経済の確立による地域振興が重要であると考えます。
 地域振興とは、その地域に暮らす人々が豊かに暮らせるようにする、地域経済の活性化とその活動とも言われております。地域の自発的な活力を引き出す自立発展的な地域施策で、地域の顔、地域の誇りともなるものを掘り起こし、あるいはつくり出して、全国や世界に通用するものに育て上げる施策とも言われております。
 こうした視点で箕面市の地域振興の柱となるべき現在の観光施策を見ると、大きな課題が見えてきます。以下、箕面市の観光施策とまちづくりについて、現状の概略と課題を整理して、今後のあり方について問います。
 現在の箕面市の観光施策は、箕面公園の大滝や滝道の新緑、もみじに頼った旧来の観光スタイルから抜け出ることなく、やや目新しい施策としては市職員の提案制度から始まった、映画ロケ誘致などをすることによる箕面の魅力を再発見、発信、創造をしようとする、いわゆるフィルムコミッションであるシーニックタウンみのおの取り組みがなされておりますが、市のホームページに掲載されているのみで、せっかくの提案施策も大阪ロケーション・サービス協議会にエントリーする程度のものとなっております。
 また、観光行動に対する統計情報が十分整備されていなく、府営箕面公園と萱野三平旧邸、郷土資料館、観光案内所の4カ所のみの入り込み数以外は観光客のニーズ把握もされておりません。
 ちなみに、箕面市観光施設等入り込み数は、府営箕面公園がおよそ年間110万人から120万人を推移し、淀川以北の北大阪地域での入り込み数約1,400万人の8.6%余りを占めており、その他は萱野三平旧邸、郷土資料館、観光案内所の3カ所でその合計が4万人に満たない状況で、市内の全体的入り込み傾向は横ばいで推移している状況です。
 しかし、箕面公園への入り込み客の行動に対する詳細なデータはなく、新緑やもみじを楽しむ滝道観光と、国定公園内の自然歩道、自然研究路への探索の割合や季節別の入り込みなどの正確な把握ができないなどの課題があります。
 また、ほとんどの人が阪急箕面駅からおり立ち、滝道の自然歩道や自然研究路での探索、昆虫館を訪れるものと考えられますが、滝道に立地している飲食店や土産物店などを利用する人は限定的で、地域との交流もほとんどなく、したがって経済効果もほとんど期待できない状況が続いております。
 滝道への入り込みはもみじの時期を中心に集中化が見られ、冬季には極端な減少が見られ、年間のコンスタントな入り込みができていないだけでなく、商業的には厳しい経営を強いられている状況にあるという、活性化に対する根源的な課題も指摘されます。
 このような状況で、大阪府のミュージアム構想による滝道の美装化など環境整備や箕面駅前周辺整備の予算が先日可決されましたが、こうしたハード整備だけでは現状の根本的な課題は何も解決するものではないと言わざるを得ません。
 また、トップシーズンには車を使ってドライブウエーから滝などの施設を訪れる観光客も多く、市内の主要道路では渋滞が発生し、日常生活に支障を来すことも多い。ドライブウエーでは一方通行規制を行っているが、歩行者にとっては大変危険で不快感が高まる時期でもあります。
 こうした背景を受けて、箕面市における地域振興に対して、観光をもっと地場の産業として有効なものにするための新たな取り組みとして、観光の多面的な革新が必要であると考えます。
 ここで、一般的に観光開発というと、大きな資本を持つ事業者が地域の資源を使って目先の収益だけにこだわった大型の施設を建設し、地域コミュニティとは全く交流することもなく、環境や景観の保全・管理をないがしろにし、むしろ自分たちの事業が立脚する資源を食いつぶし、地域の荒廃を進める乱開発型の観光を連想される方も多いかと思いますが、現に1960年代のいわゆるリゾートブームに乗りおくれるなとばかりに、全国各地で大手資本等による観光施設誘致によって雇用を確保し地域を活性化しようとした事業例が多くありましたが、そのほとんどが地域の活性化とは無縁のもので、今では姿を消したものも多くあります。地域の人々で田畑を売却し、生活の糧さえなくした方も多くおられます。
 こうしたいわば乱開発型の観光事業のことではなく、ここで申し上げる観光とは、まち全体の景観保全とともに商業、飲食施設やサービスの向上、史跡、体験施設、温泉など地域に点在する観光資源を発掘し結びつける観光まちづくりを指します。
 さきに述べた箕面市の現状から改善を図るためには、従来の観光とは異なる新たな改革が必要です。そこで、まず観光の本来の意味を共有したいと思います。
 観光の語源は、中国の儒教の経典である四書五経の一つである易経に示された、「国の光を観るは、もって王に賓たるによろし」からきたものとされております。その意味は、一国の治世者はくまなく領地を旅して民の暮らしを見るべしとも説き、民の暮らしは政治の反映であり、よい政治が行われていたならば民は生き生きと暮らすことができ、他国に対して威勢と光り輝きを示すことができると説いております。現代風に言いかえれば、地域に住む人々がその地域に住むことに誇りを持つことができ、幸せを感じることによって、その地域が光を示すとの意味でしょう。
 平成20年10月に発足した観光庁でも、観光は国づくり、地域づくり、まちづくりと密接に関わることであり、基本理念として「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を掲げ、観光は少子高齢化の経済活性化の切り札である交流人口の拡大による地域の活性化の支援をしており、箕面市においても最もふさわしい取り組みと考えます。
 箕面では、豊かな自然的資源や多様な社会的資源を活用し、関連分野のすそ野が広い交流人口をふやす観光まちづくりということが可能です。こうした取り組み施策の一例として、コミュニティツーリズムの導入を挙げることができます。
 コミュニティツーリズムとは、交流を主体とした新たな観光の潮流となる仕組みで、従来の発地型旅行から着地型観光への転換と言うことができます。旅行に関連するシンクタンクであるビジターズインダストリーのレポートによれば、コミュニティツーリズムとは、観光の形態が、従来から行われている都市圏を中心をした発地側の旅行業者などが主体となって商品の企画・造成を行い販売する観光から、着地側の民間事業者やNPO、市民団体などの地域コミュニティが主体となって商品を開発、提供する集客交流産業をコミュニティツーリズムとしております。
 すなわち、地域の住民や事業者が主体となり、地域独自の魅力であるこの場所のこの時期のこの眺めといったような細やかな素材を発掘し、地域を熟知したプロデューサーが商品化、すなわちプログラムの開発を行い、販売し、地域のNPOやガイド、商業者等の地域コミュニティが観光客にサービスを提供し、買い物や食事などの動機づけを行い、域内の消費行動につなげるなどの総合的な観光の取り組みとしております。観光による地域産業のネットワーク化、クラスター化の実現による地域再生が展望できる仕組みだと述べております。
 次のようにコンパクトな定義をされる方もあります。訪問地域における持続的な雇用の創出や、伝統文化、自然などを守るため、コミュニティが一体となり得る小規模で継続的なツーリズムの形で、ホストコミュニティへの最大限のメリットを生むコミュニティ・ベースド・ツーリズムだという表現もしております。
 今では全国的に多くの地域がこのような取り組みでエコツーリズムやグリーンツーリズム、あるいはアグリツーリズムなどを行って、さまざまなメディアで紹介されております。また、これらの取り組みについては、地域の生活文化や自然環境全体をそのまま博物館として位置づける概念を導入したフィールドミュージアムや、屋根のない博物館と呼ぶ、時間的にも空間的にも開かれた博物館として地域の自然、歴史文化を見てもらい、市民学芸員制度などを導入して地域の魅力を発見し、導く手法も用いられております。
 近傍の類似例としては、京都府南丹市美山「かやぶきの里」にその例を見ることができます。地域のお年寄りもみずから進んで参加して、訪れる観光客との交流を楽しみにしておられる光景などが紹介されております。インターネットや口コミで伝わる情報とともに、地域を訪れる方も多く、環境や民間を主体に開発・運営された観光客へのサービスプログラム、あるいは地域のホスピタリティーに感動し、満足し、再度訪れる方たちも多いと聞いております。
 箕面においても、大都市近郊に位置する地理的条件や山ろくから里山、山間地などの多様な自然的資源、瀧安寺や勝尾寺あるいは西国街道関連をはじめとした歴史文化的資源を生かすことができ、かつ多様な人材が地域に住まわれているため、さまざまな展開が可能であると考えます。
 それらの幾つかを例示すれば、箕面の山を活用したエコツーリズム、森林セラピーや農家との連携によるアグリツーリズム、あるいは市制50周年を機に市民団体が発表された、山ろくを手軽に楽しめるハイキングコース「山の辺の道」の活用や、市内の保存樹木あるいは歴史的資源や民俗的な行事などを活用した、都市型観光として定着しつつあるまちなか観光などが実現できるものと考えます。
 とりわけ、このたび補正予算が提案、可決された止々呂美のふるさと自然館は大きな可能性を持っているために、どのようなサービスを提供するのか、できるのかといったことを地域の方や専門家を交え、持続できる交流型まちづくり観光をじっくりと練り上げ、当市が地域主体の総合的な振興策として効果を発揮するよう現在の計画をさらに磨き上げ、本当に地域に還元される取り組みとして実施されるべきだと考えております。
 箕面の地域振興には、上記のような観光取り組みの方向を進めて、地域の活性化を図ることを強く要望しますが、これらの支援に当たっては商工観光課が中心となって、各部署との連携による施策の展開が必要と思われます。
 そのことについて、今後どのような方針で地域振興、いわゆる観光振興を進められるのか、見解をご答弁いただきたいとお願いします。
 また、こうした施策を推進する場合は、さまざまなソフト面での課題をクリアしていく必要があります。その中でも重要なものについて以下述べますので、市当局の考え方をお伺いいたします。
 まず、コミュニティツーリズムを推進するに当たって、その基盤となる地域の資源発掘や既存の集客施設の評価、研究などが必要となり、これらに対する支援とあわせてソフト開発やそれを支える人材育成と、新たな人的ネットワークづくりや新たな観光施策を協働で推進するための人材育成などの多様な支援が必要と考えられます。
 とりわけ、人材育成や意識改革については、地域の大学との包括的協定等を活用して、専門領域の方たちとの意見交換、講座開催なども必要と考えますが、これらへの具体の取り組みをどのようにお考えなのでしょうか。
 次に、コミュニティツーリズムの取り組みに当たっては、さまざまな分野からネットワーク型の参加が必要となり、市民団体や地元事業者の取り組みを支援し育成するなど一定限のインセンティブを与えるなど、準備段階からの一定期間の資金的な支援をはじめ、観光動向や施設情報などの提供なども支援の必要があります。
 そのためには、関連する公的機関等が発信する助成金等の情報を整理して伝えたり、申請などの支援体制の構築をしていく必要があるかとも思います。今後どのように対応されるのか、この点についてもお伺いします。
 さらに、交通事業者や観光事業者、地域の商業者との協働で取り組みが必要となりますが、初期段階ではこれらのネットワークづくりにもある程度仲立ちや支援が必要となります。また、協働で取り組むための行政との総合的な施策の調整や、個別施策の展開に関して協議の場などの確立が必要と考えられますが、今後の取り組みについてお考えを具体的にお答えいただきますようお願いいたします。
 以上をもちまして、私の一般質問とさせていただきます。理事者の真摯なご回答をお願いいたします。
Comments