20年12月

◆3番(森岡秀幸君) 市民派ネットの森岡です。
 新たに市役所の組織改革がさきに承認されました。その組織改革と関連させて、これからのまちづくりに関する市政の運営方針について一般質問をさせていただきます。
 私は、これからの地域経営、いわゆるまちづくりに当たり、解決していかなければならない課題は多くありますが、最も重要な根幹的な課題は、1、地域的な人口減少を含む少子高齢社会に対応したまちづくり、2、地球環境保全に対応した低炭素社会の実現に向けたまちづくり、3、歳入構造の改善・改革であると認識しております。
 市長は、今後上記の課題に対して、短期及び中長期的にどのような地域経営、まちづくりを展開しようとされているのか、また、そのまちづくりを実施する上で、提案されている機構改革がどのように反映されているのかをお伺いしたいと思います。
 初めに、少子化問題の根本的な対策は、市長が子育て日本一として示されている施策と同等、またはそれ以上に、母親だけに負わされている子育ての負担感を軽減することが大切と考えております。その一例を以下に示します。
 2008年3月に、神戸大学経済研究所と兵庫県少子対策本部が調査した「なぜ少子化問題に地域の視点と総合化が必要か」というレポートには、次のような趣旨が方向性として示されています。
 ア、収入の安定と安心して子育てができる環境整備が進むことが、結婚や出産の動機につながると期待されています、イ、地域内に働く場がなければ定住して子どもを育てることは難しく、人口移動に拍車がかかります、ウ、仕事と生活のバランス、若年者の就業支援や地域活性化策などを含める必要があります、エ、国の施策としては、若い世代の不安感の原因になっている事項に総合的に対応するための少子化対策の抜本的な拡充強化を図っていくべき、というふうにうたっております。
 このように、少子化対策を若年層の自立支援や定住促進をまちづくりなどとともに関連づけて、総合的に推進することが必要になっているとしております。
 また、このレポートに示されたアンケートでは、箕面市でも取り組んでいる乳幼児医療費補助とあわせて、事業者に対して、仕事と生活の調和推進支援を望んでいることがわかります。このことから、本当に子育て世代が望んでいる支援とは、母親だけに負わされている子育ての負担感を緩和すること、すなわち仕事と生活の調和、いわゆるライフワークバランスに大きな期待感が読み取れます。
 本年3月20日の新聞紙上でも、厚生労働省と一緒に大手企業10社が「いい仕事をしよう。いい人生しよう。進行中。」と銘打った全面広告の中で、各社の取り組みを紹介しております。こうした取り組みを地域でも推進することが、直接的な子育てをサポートすることになると同時に、時間的に余裕が生まれることで地域でのさまざまな新たな交流の可能性がふえることなど大きな効果が期待され、推進すべきと考えますが、市の機関はもとより、市域の事業所での推進をどのように図ろうとしておられるのかをお尋ねいたしたいと思います。
 2点目に、高齢社会の到来による地域の衰退が言われておりますが、多様な経験や知識はもとより、資産的にも他世代よりも恵まれているとされているシニア世代が地域で活躍していただくことにより、新たな活性化のきっかけづくりが可能と考えます。
 定年を迎える60歳から前期高齢とされる74歳までの市内のシニア世代の人口規模を見ると約2万4,000人、構成比では19%以上に達します。この数字は、ゼロ歳から14歳までの小児の数を上回ります。また、働き盛りでシニア予備軍とも言える45歳から59歳の人口が2万3,800人ですので、このシニア層がこの世代よりも多い状況にもあります。75歳以上を加えると、さらに多くのシニア層が市内に居住されております。こうしたシニア層は、しばらく増加を続けることになると思います。
 そのシニア層の社会参加、あるいはさらにもっと積極的な参画による高齢社会に対応した箕面の特質を生かした活力のある創造的な地域社会の形成に向けて、どのような施策を展開されようとしているのでしょうか。
 現在、シルバー人材センターがこうした世代の受け皿の一端を担っていると思いますが、現状の活動の幅や内容に関して、これらのまちづくりに参加していただける多様な人材を、現状のシルバー人材センターではすべて受け入れることはやや困難な面があると思われます。
 新たに新しい高齢社会に向けて、その専門的な知識や技能がより発揮されるような社会参加の仕組みを構築すべきだと考えます。できれば、そのような動きと連携して、シニア予備軍の年齢層が早期に退職して地域で起業していただき、地域課題の解決や地域の雇用創出にも貢献していただけるような若い世代からの起業支援が重要と考えております。
 すなわち、新しいビジネスモデルの開発支援とかSOHOのレンタル事務所の提供など、いわゆるインキュベーター機能が整備されることが望まれます。このことについては、三鷹市にすぐれた成功例があります。
 また、このような新たな人材を育成し支援する多面的な社会教育の仕組みづくりとして、包括協定を結んでいる大学等との連携などにより、新しい公共を担う人材教育、リカレント教育等の創造的な人材育成の仕組みづくりを展開することが、これからの箕面のまちづくりには重要な施策として問われるところと思います。
 今、策定中の箕面市生涯学習基本計画には、今までには少なかった地域課題の解決に向けた新たな公を担う人づくりの講座の開発、推進をしていくとしています。その具体的な取り組みが期待されるところです。
 さらに、そのような講座を受講した方たちに活躍をしていただく場づくり、いわゆる仕事づくりだとか、市場開発の人材育成と両輪となる重要な課題となると思います。
 その1つに、京都で最近、民・産・官・学が連携して、人材育成機関として社団法人が立ち上げられました。この特徴は、地域の大学などの高等教育機関や先進的なNPOなどの連携により、独自の資格を付与し、モチベーションを高めながら、地域活動のリーダーとなる人材を先端の情報を入れながら世界的な視野の中で育成していくところにあります。もちろん研究者の育成でありません。
 そのほか、国内では、最近エリアマネジメントが注目されて、新たな公におけるそれぞれの役割や仕組みづくりの動きが各地で見られます。
 アメリカでは、福祉からまちづくりまで幅広い社会サービスを提供するCBO(コミュニティ・ベースト・オーガニゼーション)や、CDC(コミュニティ・デベロップメント・コーポレーションが近年その活動の幅を広げていると報じられております。
 こうした人材育成と活動を一体化した新たな意味での、あるいは創造的な新展開が図れる市民活動の展開が一体化して取り組まれ、地域の人材資源のストック化を強力に推進していただき、市民が生き生きと地域で活動できるような取り組みをしていただきたいことを求めます。
 これから、広い意味での市民活動ととらえた場合、対応するのは、今まででは市民活動促進課でしたが、今後は、文化・市民活動促進課としての認識でよろしいんでしょうか。箕面の人的資源を生かして、こうした取り組みについて、新たな機構改革組織でのどのようなビジョンを持って対応をしようとされているのか、お伺いします。
 次に、地球環境施策では、代表的にはグリーン・ニューディールなどで示されているように、この不況対策にも積極的に利用されております。中長期の展望を持った低酸素社会のまちづくりにかかせない施策となってきています。まさに地域間競争においては欠かせない施策の視点なのです。その施策の推進方策について、どのように対応していこうとされているのでしょうか。
 従来なら、いわゆる環境担当の部署によるものと思いますが、今まさに環境施策は、産業、ビジネスともつながります。よって、従来の環境政策課の役割から、さらに幅広い視点で取り組むことができるポジションや人材の配置が求められると考えます。
 一例を挙げれば、カーボンオフセットという制度、概念を生かして、市域の森林を経済的には非生産的なやっかいものとされている森からCO2を排出する企業と連携した有用な経済的資産として、森林の持つ機能を増進させ、良好に管理することが緑の保全に大きな手だてになると考えます。
 その先例として、市役所や箕面まつりなどの公共的なイベントがこの制度を取り入れるなど、実証的な取り組みをご検討いただき、このプロジェクトを推進していただきたいと考えております。
 蛇足ではあるかと思いますが、今の山麓保全の課題の一つに、かつては経済的価値を伴って管理された森林が、生活とは切り離されて管理のための管理を必要としていることにより、より大きなコスト感や負担感が感じられます。その結果放置されている面があります。後継の問題も、こうした一面が起因しているものと言えます。
 この課題解決に向けて、新たな経済的な価値や直接的な生活文化とのつながりを認識させることによって、スムーズに管理できる状況をつくり出すことでもあると考えております。
 京都大学の諸富徹准教授も日経新聞紙上で、低炭素化と成長を両立させる緑の投資政策、産業革命とした記事を書かれております。また、静岡市では、既にそのような取り組みを国の補助制度を活用して取り組んでおります。
 箕面では、こうして管理された森が実現すれば、良好な森林環境や国定公園などでの種の多様性を維持できる豊かな自然環境の維持、保全を図りつつ、既存の宿泊施設等を加えた地域資源を生かして、市民活動団体などの支援、連携により、新たな観光交流産業としてのコミュニティツーリズムやエコツーリズム、森林セラピーなどの展開も描けます。
 こうして、一つの事業を次の関連した事業に創造的につなげるように展開し、それぞれが有機的に連携しながら、地域の活性化、市民企業等による雇用創出など、地域経済の多様化を図る総合的な地域経営も視野に入れることを推進していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 こうした施策を担う担当としては、農とみどりだけでなく、創造的、総合的な施策の展開を進める推進的な役割を果たす部署として、地域創造部が適当かと思いますが、地域創造部の認識はそういう認識でよろしいのでしょうか。そうであるならば、トータルな環境施策を担う環境政策部は、地域創造部に配置されることが適切ではないのでしょうか。その点のお考えをお伺いします。
 次に、自治会係でどのような施策を展開されようとしておられますか、お伺いいたします。
 自治会に代表される地域コミュニティの重要性は言うまでもありませんが、その展開を誤ると大変なことになりかねません。本来、このような組織は自発的であるべきで、行政がとりたてて組織化や結成を直接的に促すべきではないと考えております。むしろ、自治会係は、市内の自治会の約7割近くがさまざまな課題を抱えているとのアンケート結果がありますが、そのような団体や地域コミュニティのよき相談役であり、マネジメントのサポーターとして役割を担うべきと考えます。
 NPOなどの専門的な知識やノウハウを持つ団体等との橋渡し役となることによって、官の安心感を与えつつ、民であるNPOや市民企業などの団体の創造的、行動的な活躍の場を提供できるのでないのでしょうか。
 先日視察した羽曳野市のNPO法人E&Lの活動は、まさにその手本でした。日常的な地域のニーズにできるだけこたえる活動を、地域の方がしていることも、地域の方に信頼感を持たれているゆえんでもあります。一例では、災害時の要支援高齢者の情報も独自に持ったり、住民に対して簡素な葬儀の仲介をするなど、まさに地域のニーズを非営利活動として提供、展開されております。
 箕面市において、今後コミュニティ施策をどのように展開しようと考えておられるのでしょうか。自治会係の設置目的とあわせてお伺いします。
 次に、以前から何度となくお尋ねしておりましたが、市民参加、市民参画と協働は危急の課題と考えております。今、実施されているフロンティア事業は、市民活動促進課が担当していますが、フロンティア事業は本来は協働と考えております。明らかに市民活動、市民参画と協働とは別のもので、市民活動促進課が担当することの限界があると考えます。
 これも本来の発想は、価値観の多様化等によって、行政では対応しにくい施策や、行政と連携することによって創造的で効果的な施策の展開を推進するものであり、いわゆる安上がりの市民活動を利用したアウトソーシングではないと考えます。したがって、補助金の世界ではなく、委託業務ととらえるべきと考えます。
 従来の市民活動促進課は、本来の活動の促進や育成、活性化や、課題とされる地域リーダー人材の育成を図るセクションと認識していますが、現状では市民活動センターの業務とされているのです。この今の状態では不十分と言わざるを得ません。とりわけ、中間支援団体の育成や、それを担う多方面の人材の育成が急務と考えております。まさに、さきの社会教育との連携も必要と考えます。
 ここで言う協働の考え方を明確にしていただき、市民企業の支援策とあわせて、どこにそのような人材を配置し、取り組むことが適切とお考えになりますか。フロンティア事業の推進策とあわせて、市長のお考えをお聞かせ願います。
 最後に、今まで述べてきたこうした種々の施策の積み重ねが、決して大きくはないでしょうが、地域の循環経済の基盤を築き、財政構造の変革につながるものと考えております。
 従来の大都市近郊の住宅都市として、市民からの歳入の多くが給与生活者の住民税等に多くを依存している構造は、これからの高齢者比率の高い社会や雇用の流動化、さらには雇用形態そのものの変化が進み、財政面でも不安定化は免れません。
 企業城下町的な歳入構造が、このたびの経済不況でいかにもろいものであるかが実証されました。箕面はそうした企業城下町ではありませんが、高齢社会の到来による給与生活者の減少は、構造的な課題でもあります。すべて上記のような地域産業的な施策による収入で充足されるとは考えませんが、充実した市民生活を推進しながら、構造的な変化が図れるものと確信しております。
 抜本的で、主要な部分での歳入構造の変革、イノベーションは、もっと別に考える必要があるかと思いますが、これらを含めて、今後の取り組みをどのようにお考えなのかをお伺いします。
 以上、広範な問題についての質問となりましたが、市民に向けての理事者の真摯なご答弁をいただきますようお願いしますと同時に、今回の機構改革がどのようなねらいでされ、どのようなまちづくりをお考えなのかということを、できるだけ機会をおつくりいただいて多くの市民にお伝えいただくことをお願いして、私の一般質問を終わります。
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